ウェブサイトの背景に使われる白黒の木の年輪パターン
芸術的な背景デザインのためのスタイリッシュな白黒の同心線
モノクロの抽象的な地形線を創造的な背景として
最新情報

読書の秋特集 ~物語と北海道の風景が重なる、豊かな秋時間~

2025.09.30
  • お知らせ

風が少し肌寒く感じ始める秋は、物語の世界に浸るのにふさわしい季節です。澄んだ空気のなか、温かなコーヒーを片手に本を読んだり、夕暮れの光に包まれながらページをめくったり、心が満たされる時間を過ごせます。今回は北海道を舞台にした小説をご紹介します。登場人物の心模様と大自然の描写が重なり合う、豊かな読書時間をお楽しみください。

◆ 朝食後にコーヒーを持ち込んでゆったり読書

Woman,Person,Relaxing,At,Home,Reading,Book,Feeling,Relaxed,On

静かな朝の時間に心を落ち着けながら、登場人物や物語世界にじっくり浸れる作品を紹介します。

「泥流地帯」三浦綾子

大正15年に起きた十勝岳噴火による大規模な泥流被害で144人もの生命と財産が奪われた上富良野の村が舞台となる作品。家族を失い、家や土地を失った人々が、絶望の中でも田畑を耕し、生きる意味を模索しながら再び立ち上がっていく姿を描いた、復興と再生の物語です。
2025年3月に小説の実写映画化が決定した、ぜひ読んでおきたい作品。上富良野町では、小説の舞台を巡る文学散歩やフットパスが開催されています。

「さいはての彼女」原田マハ

仕事につまずき、恋愛も上手くいかない、疲れ切った女性が、一人旅をするなかで、偶然の出会いを通して自分を見つめ直し、新たな一歩を踏み出していく作品です。 女満別(オホーツク地方・網走管内)を中心に、道北や道東の鮮やかな風景描写のなかで、再生と希望が紡がれています。

◆ 夕暮れ時、外の景色がオレンジに染まる時間に本を読む贅沢

夕暮れの柔らかい光や景色とリンクする情緒的な物語で、物語の余韻を味わえる作品です。

「北の国から」倉本聰

ドラマの脚本をもとに倉本聰が書き下ろしたノベライズ本。東京から富良野へ移住した父と子の物語です。電気も水道もない暮らしの中で、自然と共に生きる厳しさと温かさを経験し、時に衝突しながらも成長していく姿が描かれています。人間の営みと四季折々の富良野の風景を鮮やかに刻む名作です。
富良野の麓郷(ろくごう)地区は、北の国からの舞台となった集落。ロケセットが保存されており「五郎の石の家」や「拾って来た家」などを実際に見学できます。

「起終点駅 ターミナル」桜木紫乃

作者の出身地である釧路を舞台に、6つの作品から構成された短編小説。孤独を抱えた登場人物たちを中心に、その寂しさや、ふとした瞬間に生まれる人との繋がりの温かさが描かれています。釧路の荒涼とした風景が心の空虚さを映し出しながらも、そこに灯る小さな希望を浮かび上がらせます。人生の終わりと始まりを問いかける、静かで力強い人間ドラマです。

「最後の卒業生」本田有明

夕張市の財政破綻により閉校を迎えた実在の中学校をモデルにした物語。過疎化が進む北海道の小さな町の分校で、最後の卒業生を送り出す教師や住民の姿を通して、失われゆく地域の現実とそこに生きる人々の誇りや思いが描かれています。郷土愛と喪失感が胸に深く響く、記憶に残る青春小説です。

Japanese,Woman,Reading,In,Nature

◆ 温泉や大浴場のあと、心身がリラックスした状態での読書

リラックスした気分でじっくり向き合える、深いテーマや幻想的な世界観の作品を紹介します。

「氷点」三浦綾子

旭川市出身の作者により描かれた作品。幼い娘を何者かに殺された夫妻が、その犯人の娘を養子として迎え入れ、彼女の運命や家族の葛藤が描かれています。罪と憎しみが連鎖する家族の葛藤、愛と赦しの難しさを描いた重厚な人間ドラマ。北国の厳しい自然描写と人間の心の闇が重なり合い、物語に深い余韻を与える不朽の名作です。

「物語のおわり」湊かなえ

札幌、小樽、上富良野、美瑛、旭川と次々と舞台を移しながら、人生の岐路に立つ人々が描かれる物語。一冊の結末のない小説「空の彼方」を手にすることで、それぞれが悩みを乗り越え、一歩を踏み出す姿が描かれています。
作中では富良野の日の出公園のラベンダー園が登場します。

「羊をめぐる冒険」村上春樹

美深町仁宇布(にうぷ)という街がモデルになったのではないかと噂されている十二滝町という架空の町が舞台。主人公は、消息を絶った大学時代の友人の依頼で不思議な羊を探す旅に出て、予測不能な冒険に巻き込まれていきます。旅の途中、奇妙な事件や謎めいた人物と出会いながら、自らの存在や社会の虚構に向き合い、現実と幻想が入り混じる不思議な体験をする物語。

富良野で満喫する読書時間

富良野では毎年10月上旬に富良野市図書館で「図書館まつり」が開催されます。絵本パフォーマンスや本マルシェ、毎年大人気の大人の古本市など、さまざまな催しが楽しめます。

今回、紹介した小説で富良野が舞台となった作品は以下の通りです。

  • 「泥流地帯」三浦綾子:上富良野
  • 「北の国から」倉本聰:富良野麓郷(ろくごう)地区
  • 「物語のおわり」湊かなえ:日の出公園ラベンダー園

小説を読んだ後は、ぜひ実際の舞台に足を運んで、物語の世界観を体感してみてください。

Little,Asian,Boy,And,Girl,With,Book,In,Hand,Sitting

物語の世界に浸る贅沢なひととき

北海道の豊かな風景や季節感は、どの作品にも深みを与え、読書の時間をより特別なものにしてくれます。ノゾホテルでは、落ち着いたラウンジや広々とした客室でゆったりと読書を楽しめるほか、スギスパでリフレッシュしたあとに静かな空間で本を開くのもおすすめです。小説を読み終えたら、ぜひ舞台となった地を訪れて、物語の世界観を実際に体感してみてください。

Reservation

宿泊予約

チェックイン
チェックアウト
人数
部屋数